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その時気になった ドラマ、小説、アニメ等の 創作小説を書いていくブログです。 や、ほんと初心者です。 皆さんの素晴らしブログの数々に 勉強させていただく毎日。 当然のことですが、upした作品は 公式の物とは全く関係ありません。 今後も生温かく見守って頂ければ幸いです。
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どうも鼻水が止まりません。
とうとう生まれて始めての
花粉症の驚異に
さらされる日が近づいて
きたんでしょうか・・・(>_<)
こんばんは♪

今回のインディゴの夜は
何だかシリアス風味です。
憂夜さんと空也さんの
過去編の少し前辺りで
こんなエピソード
あったらいいな~と
妄想しながら書いてたら
何だか暗めのお話です。

あのあたりでは
憂夜さんよりも空也さんが
感情を前面に出していたため
あまり憂夜さんは
動揺しているようには
見えなかったんですが・・・
よーく見返してみたら
一瞬感情が揺らいだ後に精神力で
押さえ込んでるんじゃないかと。

この局面で自分までが冷静さを
失うわけにはいかない。
無理矢理冷静になろうと
しているような、そんな感じ。

そんな妄想してたら
出てきたのが今回の作品です。
く、暗い・・(ーー゛)
よろしければ最後まで
お付き会いください<(_ _)>

*見守る立場からもう一歩*

「憂夜さん。貴方は…どこか
高原さんと向き合うことを
恐れているのではありませんか?」

とある事件の情報を空也から
貰う為に、いつもの高架下へ
向かった日。
別れ際に空也かはどこか
面白そうに言い放った。

「店長と…?どういうことだ」
「おや、まだ気づいて
いらっしゃらない?それとも
御自分の心に目を瞑りましたか」
「気づくも何も…空也。何が言いたい」

空也の話し方は、新宿の
№1ホストとして鍛えられた物以上に
天性の資質が強い。
エルドラドの客としてなら充分に
良い思いを味あわせて
貰えるだろうが、対個人として
いうなら、コミュニケーションを
取りやすい相手では決してない。
知らず知らずに空也の話の流れに
乗せられて、気づいた時には
最初から用意されていた
結論に行きついている。

「そう警戒なさらなくても。
僕は思ったことを述べているまでです」
「俺が店長とどういう関係を
築こうが、お前には関係のないことだ」
「そうですね。では僕が高原さんに
想いを告げても貴方は
何ら構わない…と?」
「・・・・それは俺が判断すること
じゃない。店長個人の問題だ」

「頑固な人ですね…
俺が言いたいことが貴方に
分からない筈はないでしょう?」

瞬時に空也の纏う気配が
エルドラドのそれではない物に変わる。

(相変わらず器用な男だ…)

ホストとしての二面性は
確かに誰もが持っているものだが
纏う気配すら変えてしまう
者はそうはいない。

「あまり悠長に構えていると
本気で行きますよ・・・?俺」
「・・・・好きにしろ」
「分かりました。憂夜さんの許可も
貰ったことですし…そうですね。
今度食事にお誘いしましょうか。
どの店が良いかな」
「おい、空也。お前…」

面白がっているような気配の
後ろに、どこか縋るような必死さが
透けて見える。

ここのところ、何か妙に
胸騒ぎがする。
7年前のあの日以来、一歩一歩
進んできた道が突然音を立てて
崩れ始めるような・・・根拠の無い予感。

「じゃあ、憂夜さん。僕はここで
失礼します。高原さんに
よろしくお伝えください。
近々、貴方を攫いに参ります…とね」

ちらりとこちらに一瞥をくれると
空也はそういって返事も聞かずに
滑るように新宿のネオンの
中へと消えていった。

「・・・・・」

通り過ぎるヘッドライトと
同じように自分の周りの
環境も変化していく。
7年前の事件を境に、この業界からは
綺麗に足を洗ったつもりだった。
塩谷さんの所為にするつもりなど
全くないが…それでも。

「結局、俺はこの世界から
離れることなど
出来ないということか」

小さく独りごちる。
それはきっと空也も同じだろう。
何度離れたとしても結局は
戻ってきてしまう。
そんな職に就けたことは
幸せなことだと思うのに
やり切れない思いばかりが募る。

(賢…)
瞑った目の奥に、何度も思い描いた
晴れやかな笑顔が鮮明に蘇る。

俺があの時、賢を止められていれば。
何度も繰り返した後悔が
波となって押し寄せる。
一人で組の事務所に
乗り込んで行った賢。

なぎさママは違うと言ってくれたが
明らかに俺のミスだろう。
前にいた店でもいつも賢のことには
目を配っていたはずなのに。
賢が先走ることなど、少し考えれば
予想のついたことなのに。

(止められなかった…賢を
死なせてしまったのは俺だ)

壁の落書きの赤にすら、病院での
傷だらけの賢の顔が浮かぶような
気がして固く目を閉じる。

春先にしては冷たすぎる風が
ただ通り過ぎて行く。
その風に乗って小さな声が
聞こえた気がした。

「・・・・さん。憂夜さんってば」

目を開けると、不思議そうな顔をした
女性がこちらへ歩いてくる。

「店長…」
「どうしたの、憂夜さん?
こんな所に突っ立って」

「・・・・」

その瞬間。
通り過ぎる一台の自転車の
ライトが後ろから
彼女を照らし出した。
それはまるで光に包まれた
聖母のようで。

(あぁ…俺にはこの人が必要だ)

そう感じた瞬間、心の中に
生まれた温かな光。

「ちょ、ど、どうしたの。
憂夜さん!何かあった?
そんな顔しないで…ね?」

わたわたと慌てる彼女に俺は
一体どんな風に見えているのか。
余程酷い顔をしていたのか、眉を
顰めた彼女の瞳はうっすらと
涙ぐんでさえ見えた。

「いえ…すいません。少し
考え事をしていただけですよ。」
「そうなの?大丈夫?」
「えぇ…。店長こそこんな時間に
どうされたんですか」
「あぁ、チャームが切れそうに
なってたから買い出し」

少し首を竦めながらビニール袋を
掲げる彼女の手は荷物の
重さからか、少し赤くなっている。

この人のことだ。
どうせ、止めるホスト達の
言うことも聞かずに一人で
買い出しに出たんだろう。
こんな夜遅くに。
女性一人で。

「貴方という人は…全く」

俺に怒られそうなのを
分かっていたのか
より一層小さくなる身体を
軽く歩道側に押しやる。

「帰りましょうか。もう
買い出しは済んだのでしょう?」
「うん?…うん」

拍子抜けといった表情の彼女は
とても年上には思えないけれど。

(俺はきっと彼女無しでは
生きてさえいけない)

妙な確信さえ生まれてくる。
こんな感情は生まれて初めてだ。
だが…。

「俺が守ってみせます。今度こそ」

「ん?憂夜さん、何か言った?」

小さくつぶやいた声は、彼女に
届く前に、雑踏の
騒音にかき消されていく。
…今はそれでいい。

「いいえ。さあ急ぎましょう。
皆待っていますよ」

彼女の手から荷物をそっと
奪うと、歩き出す。

後ろから着いてくる彼女は
「もう…話してくれたっていいのに」
などと膨れている。

(貴方に全てを話す時は…
覚悟しておいてくださいね、店長)

そう思うと、歩き出す足さえ
どこか軽く感じる。

遠くから慌てて走ってくるジョン太の
顔が一瞬、笑顔の賢と
重なった様な気がした。

※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※
和也君が来る少し前のお話。

一歩どころか二歩三歩と
飛び抜けちゃったような
一歩も動いてないような。
本当はもう少し軽い内容になる
予定だったのに、あれよ
あれよという間に
憂夜さんの独白に…。あれ?
この人の一人称はどうしても
暗くなる気がします。

あと実は当初、空也さん出る
予定はありませんでした。
それが、とっぱなからあんな感じで。
さすが新宿№1!!恐ろしい子…(違)
憂夜さんはなかなか内面を
晒さない人なので、やっぱり難しいです。
こんなの、憂夜さん&空也さんじゃ
ないわ!!って方も勿論
いらっしゃると思いますが、あくまで
「こんなシーンが原作の合間に
あったらいいなぁ」と書き出した
物なので生温かい目線で
見ていただけると嬉しいです。
最後まで読んで下さって
ありがとうございました♪
2010.4.7
-さえこ-

恋したくなるお題 配布 様より
頑張りやな君へのお題
03. 見守る立場からもう一歩
 

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