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その時気になった ドラマ、小説、アニメ等の 創作小説を書いていくブログです。 や、ほんと初心者です。 皆さんの素晴らしブログの数々に 勉強させていただく毎日。 当然のことですが、upした作品は 公式の物とは全く関係ありません。 今後も生温かく見守って頂ければ幸いです。
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もう、インディゴ話なら
いくらでも思いつきそうな
くらい頭の中があっちに
行っちゃってますが、筆力が
それに追いつきません。

なんだか
憂夜さん→店長に
なっちゃいました。

でも、最後の爆弾事件の
時の二人はもはや
夫婦だと信じて疑いません。
インディゴの夜
DVD-BOX出ないかなぁ…。

それではどうぞ。
01. 始まりの合図のキス

どうにも人を引き付けてしまう
雰囲気をあの人は持っている。
もちろん無自覚で。
それだけに効果は絶大だ。

「店長、新メニューネ。
味見オネガイネ」
「あぁ、ポンサック。
分かったすぐに行く!」

『店長!!俺たち新ネタ
考え付いたんです!!お客様にも
喜んでもらえると思うんで
見てもらえませんか?』
「新ネタって、アンタ達。
まぁいいわ。
モイチ、モサク、後で行くから
ネタ合わせしときなさいよ」

「店長、ほら何やってるんですか。
髪、ぐしゃぐしゃですよ。
ついでに俺が結いましょうか?」
「ん?あ、ありがと、犬マン。
でもいいわ、後で
ちゃんと結びなおすから」

「店長、空也さんから貰った
ピルケース。チェーン
切れちゃいました。
どうしよう…」
「えぇ?あたし細かい作業は
苦手なのよね…まいっか。
吉男、ペンチとか持ってる?」

「ど、どうしよう、犬マン!!
オレ、あそこに置いてあった店長の
お気に入りの花瓶
割っちまった…ヤベェって!! 
あ、店長」
「ジョ~ン~太~っ!!!」

インディゴ自体は開店前で、特に
仕事に支障が出ているわけではないが
度を越せば店長の負担にもなりかねない。

「店長、売上の件でご報告があるの
ですが…お時間よろしいでしょうか?」

見かねて階段を下りて、背後から
声をかければ『売上』の
一言に反応したのか奇麗に
整えられた眉がきゅっと顰められた。

「あ~ごめんね、みんな。
ちょっと待ってて。
憂夜さんと打ち合わせしたら
すぐに行くわ!
ついでにジョン太は
罰としてトイレ掃除一週間!!」

しっかりと釘をさしてから
執務室に向かう店長を
促していると、背中に
複数の視線を感じる。

聞いていれば別段、緊急の用と
いうわけでもない。
明らかに用事を作って店長に
話しかけている気配すらある始末だ。
放っておいても問題はないと判断して
そのままドアを閉めた。
 
「で、憂夜さん。どうなの?売上」
「えぇ、ですがその前に、少し
休憩されませんか。
とても良いハーブが
手に入りました。
店長にも気にいって
頂けると思いますよ?」

売上は相変わらずといった処だが
下降線というわけでもない。
第一、店長に休んでもらうのが目的だ。
疲れる話もないだろう。

「そうね。ちょっとだけお願い
しようかな。もう…最近アイツら
妙に寄ってくるのよね。
一体、何だっていうのかしら」

温めておいたカップを準備しながら
店長の呟きに耳を傾ける。

確かに最近、メンバー全員が
どこか落ち着きがない。
(大体の原因の想像はつくが…)

「店長にかまって
欲しいんでしょう。…どうぞ」
「ありがと。
あれ、ミルクティー?
憂夜さんが入れてくれるのは
珍しいよね」

柔らかな香りが辺りを包み込む。
最近、顔色が良くない店長にと
知人から取り寄せたものだが
やはり間違いない良品だと
再確認して、そっとテーブルに置いた。

「えぇ、少しお疲れの
ようでしたので。
貧血にも効果のあるカモミールと
紅茶を牛乳で煮出してみました。
微かなリンゴの香りが疲れを
癒してくれますよ」
「へぇ…いつもありがと。
確かに最近ふらつくことが
多くて困ってたのよね」
「顔色もあまり良くない
ようです。
失礼ですが…あまり
眠れていないのでは?」
「そんなこともないけど…
まぁ、店のこととか色々ね」

困ったように笑うこの人は
他人のこととなるとよくぞ
それほどまでという程に心を
砕く癖に、自分のことと
なると驚くまでに無頓着だ。

「あまり無理をなさらないで下さい。
店長に倒れられでもしたら
インディゴは途端に
静まり返ってしまいます」
「どういう意味よ、それ・・・
でも、まぁ。うん、ありがと」

少し照れてしまっているのか
カップの縁から顔を上げようとしない。
その顔を見てしまいたいという
欲求を抑えられずに
そっと膝をついて下から覗き込む。

「店長…?」
「・・・っ!! な…何?」

ゆらゆらと漂う湯気の間から
覗く潤んだ瞳に、一気に
心が囚われそうな感覚に襲われる。

「微力ながら私も店長の
お力になりたいんです。
ですからあまり無茶をなさらずに
相談してくださいませんか?」
「ゆ…憂夜さんが微力なんて
そんなことあるわけないわ。
いつも助けて貰ってるくらいなのに」
「では、何でもまずは
私に相談して下さいますね?」

念を押せば、小
さく「ハイ…。」と口元が動いた。
満足して立ち上がると、途端に
店長の肩から
力がすとんと抜ける。

(…分かりやすい人だ)

苦笑しながら、別室で茶器を
片づけていると、堪えたような
小さな欠伸が何度か聞こえてきた。
(…そろそろか)
いつもより念入りにカップを
磨いて時間を置いてから
ソファにいるはずの店長に
小声で声をかける。

「店長、やはりお疲れの様です。
この後特に急ぎの
用事もありませんし
少しお休みに…店長?」

余程疲れていたのだろう。
白いシフォン地の
チュニックを纏った肩が
既にゆらゆらと揺れ始めていた。

「…店長」
「ん…」

不安定に傾ぐ体をそっと支えると
ミルクティーの柔らかい香りと
女性独特の甘い香りが
微かに鼻をくすぐった。

睡眠誘導作用のあるカモミールを
取り寄せ、少しでも眠ってもらおうと
考えたのは自分のはずなのに
自分の首を絞めるような
事態に陥れば意志の力を
強く借りずには立ち向かえない。

(俺はそれほどまでにこの人に…)

インディゴのメンバーだけではない。
空也にも想いを寄せられている
この人の心を掴むのはそう
容易くはないだろう。

「店長…聞こえて
いらっしゃいますか?
あとは俺に任せてゆっくり
眠ってください」
「ん…あ…がと」

舌ったらずな謝意に思わず
口元が綻んでいく。
「いいえ…少し失礼します」

体を起して、腕の下から手を
廻すと、そっと抱きあげる。
いつもは引かれたままのカーテンを
開けて、ベッドに
最新の注意を払って横たえた。

「まったく、あなたという人は…」

もうこれ以上危険な目に
合わせたくはないのに、この人は
自分から揉め事に飛び込んで
行ってしまうから。

柔らかな栗色の前髪を指先で
直すと、そっと額に口付ける。

(貴方は…俺が守る)

完全に眠りの世界に落ちて
しまった店長を見つめてから
静かにカーテンを引いた。

「アレックス、樹」
『は、はいっ!?』

扉の外に声をかけると
気づかれているとは思って
いなかったのか裏返った
声で返事が返ってきた。

そっと入ってきて直立不動の
二人に睨みをきかせる。
立ち聞きなど良い趣味ではない。

(まぁ…気づいていて
そのままにしておいた俺も俺か)

「店長は今休まれているから
下の奴らに静かにしろと伝えて来い」
「Yes、sir !!」

アレックスが走り出した後も
樹はその場に残っていた。

「どうした、樹?早く行け」
「空也さんが言ってました」
「空也が?何を」
「憂夜さんは一度相手を守ると
決めたら、何があっても
最後まで守り通す人だって」

意外な言葉に一瞬
書類をまとめる手が止まる。
「それで?」
「貴方が…貴方じゃなきゃ
オレ絶対に諦めたりしないのに!!」
「樹…」
「すいません、失礼します」

ぱたんとドアが閉まっても
どこか樹の放った熱気が
残っているような気がした。

「ライバルは多いな…」

樹の気持ちに気づいて
いなかったわけではない。
だが、だからといって自分から
この気持を諦める気もない。

固めたこの決意は、そう簡単に
翻りはしない。

「晶さん…」

そっと呼んだ声に応えるように
春風がカーテンを揺らした。





どこら辺が合図なのか
聞いてもいいですかね。
(聞くな)
憂夜さんにとっての。って
ことで勘弁して頂けると幸いです。
にしても思ったより長く
なっちゃって反省…
もうちょっと
文章をまとめる力が
欲しいです(汗)
最後まで読んで頂いて
ありがとうございました~。
2010.4.5
-さえこ-

恋したくなるお題 配布 様より
キスの詰め合わせ
01. 始まりの合図のキス

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