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その時気になった ドラマ、小説、アニメ等の 創作小説を書いていくブログです。 や、ほんと初心者です。 皆さんの素晴らしブログの数々に 勉強させていただく毎日。 当然のことですが、upした作品は 公式の物とは全く関係ありません。 今後も生温かく見守って頂ければ幸いです。
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前編より続きます。憂夜ママ
がんばります(爆)

「へっ?ちょ、憂夜さん?」
「やはり少し熱いですね。
熱は測られましたか?」

気づいた時には、額の上に大きいけど
綺麗なちょっと冷たい手。

そして鼻先が触れるほどに近くにある
憂夜さんの顔。

「・・・・・・・・」
間近にある整いすぎた顔を直視できない。
何でこんなに無駄に
イケメンなの、この人…。
あ、無駄じゃない。
元新宿№1ホストだ。

「店長?」

パニックを起こしかけた頭で実に
関係ないことを考えていると
憂夜さんに呼ばれた。

「な、ななな何?」
「……。今日は熱を測りましたか?」
「う、うん。まだだけど
大丈夫よ、このくらい。
朝からちょっとぼうっと
してたんだけど
だいぶマシになってきたし」

安心させようと憂夜さんに
そういった瞬間,

その場の空気が凍りつく。

こ…怖い。

「ゆ、憂夜さん?」
「貴方は…そんな状態で、外に
出ようとしていたんですか」
「う…うん。だって大したこと
ないと思ったし」
「私が何度もノックしたのも
気がつかなかったのに?」
「う…でも…」
「でもじゃありません」

言葉を遮られた上に、きつい口調で
飛んでくる声に首を竦める。

「お・・・・怒ってる?」

この人は人の言葉を遮るなんてことは
滅多にしない。
それだけ怒らせてしまったという
ことだろうか。
怒れば怒る程、静かになっていくのが
憂夜さん。
怒らせたくない人№1。

「…ごめんなさい」

早々に謝ってしまうと、眉を顰めたまま
小さくため息を吐かれた。
うぅ・・・やっぱり怒ってる。

「4月とはいえ、まだ風も冷たいんです。
そんな熱のある身体で出かければ
体調を悪化させます」
「ハイ…」
「今日は一日、こちらで
おとなしくして頂けますね?」
「でも、今日は吉男の快気祝いでしょ?
プレゼントくらい
買いに行きたいんだけど…」

「店長」
さっきよりももっと温度を下げた低い声。
「う・・・・でもプレゼント・・・」

吉男も大事なインディゴのメンバーだ。
快気祝いに何か贈りたい
気持ちは、どうしてもある。
ちょっとは頑張って粘ってみようと
思っていると、

「店長からのプレゼントは
私が買いに行きます。
ちょうど自分の分も買いに行く
所でしたから」

仕方がないといった風に
あっさりと言われてしまった。

「え、でも…」
「勿論、店長と吉男の好みにあった物を
選びますよ。ご心配なく」

意外と頑固な憂夜さんがこの口調で物事を
話す時は、もう決定事項だということ。

「それは心配してないけど…
でもいいの?」

今はまだ朝の9時半。
昨日も遅くまで残って
仕事をしていたんだからまだ眠ってたって
おかしくない時間。
勿論、私も同じ時間まで残っては居たけど
憂夜さんの仕事量は尋常じゃない。

「大丈夫ですよ、店長。私はそんなに
ヤワじゃありません」
「でも、もうちょっと休んだ方が…」
「そっくりそのまま店長にお返しします。
…ほら、もうこんなに身体が冷えている」

そっと手を取られたまま心配そうな
表情で見つめられる。

(・・・さらっとそういうことを
出来ちゃう当たりが、さすが
空也の先輩よね・・・)

「店長、お体に障ります。
あとは私にまかせて
お休みになってください」
「ん、ありがと…じゃあ
お願いしても良いかな?」

ここまで言われて、駄々をこねるのも
憂夜さんに悪い。

「お任せ下さい。必ず
良い物を選んできます」
「あ、じゃぁお金…」
「構いませんよ。私が出します」

またまた当然のようにあっさり言われた。
でも、そんなわけにはいかない。
快気祝いのプレゼントを自分の分まで
買いに行かせて、その上
お金を払わないだなんて。

「駄目だよ、憂夜さん。ちゃんと払う」

そう言うと、案外あっさりと憂夜さんは
引きさがった。

「分かりました、では
こうしましょう。店長」
「ん、何?」
「吉男へのプレゼントは私たち二人から。
ということで少し奮発した物にする。
勿論、後で店長からもお代も頂きます。」
「いいよ、分かった」

それなら憂夜さんにも負担はかけない。
私の分も買いに行ってもらうことには
なるけどそれはもう好意に甘えよう。

「あとは…」

憂夜さんがいつもの口調で話しだす。
でも、どこか少し声が固いような…。
・・・どうしたんだろうか。

「店長の分のプレゼントを買いに行く
駄賃を私にいただけませんか」
「駄賃?」

珍しい。
憂夜さんが何かを私にねだるなんて。

「いいよ、何がいい?あんまり
高い物は無理だけど」

なんだか嬉しくなって
二つ返事でOKすると、
その場の温度が3度程上がった気がした。

・・・・あれ?暖房入れてたっけ。

「では…先ほど店長が
食べられていた、味噌汁を」
「え?味噌汁?朝ごはんの?」
「えぇ。いけませんか?」

憂夜さんとお味噌汁。
意外な組み合わせすぎて、思わず
吹き出しそうだ。

だって、お味噌汁。
しかもぼうっとしながら作ったから
きっと豆腐も野菜も不揃い。
高級料亭なんかの御味噌汁とは
わけが違う。

「いけなくはないけど…いいの?
あんなので。作りすぎちゃったから
十分余ってはいるけど」

「いいんです、それで。
…私は店長の作った味噌汁が
飲みたいんですから」

そういう憂夜さんはどこか、そわそわ
しているみたいで。
あ…ひょっとして。

「分かった、憂夜さん。朝ごはん
食べてきてないんでしょ。
ちょっと待ってて、温めてくるから」

「え、いや、店長…そういう訳では…」

後ろで憂夜さんがちょっと慌ててたけど
待っていると遠慮されそうだから
構わずに階段を降りる。

誰かにお味噌汁食べて貰うのって
久々かもしれない。

「ちゃんと味見しておかないと…」

朝ごはんを食べ損ねたんなら、卵焼きと
御飯も付けてあげよう。
こないだポンサックが使ってた人参が
あったから和え物も出来る。

ちょっと不揃いな野菜をお箸で
摘まんでいる憂夜さんを
思い浮かべて、今日一日なんだか幸せに
過ごせそうな気がした。


************
・あとがき・

憂夜さん、がくーん・・・orz (笑)
決死のプロポーズは伝わる前に晶さんの
天然バリアに
跳ね返されてしまったようです♪
あ、あれ…私カッコいい憂夜さんが
大好きな筈なのに。
あれ・・・・?(反省しろ)
全国の憂夜さんファンの皆様に平に
お詫び申し上げます。。。
でもきっと憂夜さんは店長の分の
プレゼントまで
ほとんど自分で払ってしまうに違いない。
「え、これだけでいいの?」
「えぇ、知り合いからとても
質の良い物が安く
手に入ったんですよ」
とか言ってるといいw
店長に負けず劣らず頑固なウチの
憂夜さんでした。
店長は憂夜さんの胃袋の為に。
憂夜さんは店長の味噌汁…もとい
店長自身の為に頑張ってます(笑)
長々と読んで頂いて
ありがとうございました。

2010.4.7
-さえこ-

恋したくなるお題 配布 様より
頑張りやな君へのお題
01. 頑張るのは何の為?


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