その時気になった
ドラマ、小説、アニメ等の
創作小説を書いていくブログです。
や、ほんと初心者です。
皆さんの素晴らしブログの数々に
勉強させていただく毎日。
当然のことですが、upした作品は
公式の物とは全く関係ありません。
今後も生温かく見守って頂ければ幸いです。
ミキ 様リクエストの憂×晶です。
≪続きを読む≫からどうぞ。
<(_ _)>
――― ちょっと、心配性すぎると思わない?
A very merry unbirthday to you.
(憂×晶)
「んにゃ、全然?」
案外あっさりと言われる。
――― 憂夜さん信者のコイツに聞いたのが間違いだったかしら。
テーブルに肘を付いてジト目で見あげれば、ラーメンで火傷した舌を缶ビールで冷やしているジョン太が心底不思議、といった顔でこっちを見ていた。
(誰も取りやしないのにあんなに焦って食べるからよ)
珍しくインディゴが休みの祝日。
昼間はあんなに暖かかったのに、夜はやっぱりちょっと冷える。
こんな日はあんまり無いからっていう理由で、オーナールームでみんなで飲み会を開く事になった。
夜も更けてきて、みんなお酒を片手に思い思いの料理をパクついているのに、私の前にはオレンジジュースと野菜スティックとポンサック特製の海藻サラダ。
(……お肉は?)
「スコシダケナラアゲルヨ」と言って取り皿の上に乗っけられたジューシーな唐揚羽は、あっと言う間にお腹の中。
「第一、 憂夜さんの過保護っぷりは今に始まった事じゃねぇだろ?」
「ソウヨ、憂夜サン店長ノコト、トッテモダイジニシテルヨ?」
「Totally!《まったくだ!》贅沢な悩みにも程がある」
「まぁね~。ほら、店長って愛されちゃってるから」
黙って聞いてれば言いたい放題言ってくれる。
……そんなに言うなら一度味わってみればいい、とさえ思う。
大柄のアレックスの背中からひょこりと顔を出したポンサックも、ジョン太の顔を暑苦しそうに押しのけるDJも。
「みんな、あの人と一緒に暮らした事が無いからそう言えるのよ…」
「いや、俺ら別に憂夜さんと一緒に生活したい訳じゃねぇし…なぁ犬マン?」
「……お前はちょっと黙ってろ」
「こないだだってね?人がちょっと此処の掃除しようとしただけで掃除機取り上げられちゃうし……」
「あ、それ月曜だろ?俺見てたもん。でも此処狭いから掃除機かけるには向いてねーんだよ…第一、オバハンが掃除始めたらこの部屋どころか店中、全部やらなきゃ気が済まなくなるだろーが」
いままで私が使っていたベッドはシーツも布団も一新された上で、ホスト達の仮眠スペースとして使われている。
その分、オーナールームの面積は私が越した後も広くなるどころかジョン太達の私物に少しずつ占領されていく一方だったり。
「アンタちょっとは片付けなさいよ…じゃあこれは?お気に入りのジャケット着て外に出かけようとしたら、寒いからって止められた上に車のキーまで取り上げられた!!」
「それは火曜日。あの時、店長が風邪気味だったからですよ……バレてないと思ってたんですか?俺でさえ気づいたのに」
――― 憂夜さんが気付かない訳が無いでしょう?
犬マンに笑いながら言われて、ぐっと詰まる。
確かにあの時、少し背中に寒気が走って、「ちょっと熱があるのかな…」って思ったけど。
「じゃあ…」
「ちなみに。少し暑かった水曜に熱いハーブティーを入れられたのも」
「キッチンに立とうとした店長を全力で止めてた木曜も」
「洗濯物ホソウトシテタ店長ノヨコデ、全部憂夜サンガホシチャッタノハ…金曜ダッケ?」
「That's it.《その通りだ》 階段を踏み外しそうになった店長を後ろから抱き締めて止めた土曜日も」
「下で寝ちゃった店長をおんぶで2階まで…「違うよ、兄ちゃん。お姫様抱っこだって。あ、ついでに日曜日だった♪」
「……やっぱ過保護じゃない」
DJ、樹、ポンサック、アレックス、モイチ、モサクの順に次々と挙げられていく憂夜さんの行動の数々。
(……… 第一、何でそんなにしっかり見てるのよ、恥ずかしすぎるわ)
「店長…全部店長の為なんですよ?最近の憂夜さんの行動は」
苦笑いしながら、ZIMAの瓶をテーブルの上にコツンと置いたのは犬マン。
…何可愛い物飲んでんだか。
あ、樹もだ。
正統派は飲み物まで爽やか系ってワケ?
横目で睨むと降参、といった風に揃って両手を上げられた。
「分かってはいるんだけどね………」
「でも店長、今の状況なら仕方がないんじゃないですか?」
樹がすらっと長い指で示すのはデスクにある数冊の育児雑誌。
憂夜さんと結婚してから一年を過ぎた頃発覚した妊娠に、ジョン太はひっくり返ったし、モイチとモサクは走り回って喜んでた。
それからの憂夜さんは、ほんっとに過保護。
多少動いた方がいいのよ、って言っても絶対に一人では出かけさせてくれないし、買い物には必ず付いてくる。ちょっと人が寒そうにしたら、「寒いでしょう?ほら、こうすれば…」とか言ってしょっちゅうくっ付いてくるし、重たい物を持つのなんてもっての外。
最近じゃ、お客様の仲裁に下に降りる事にさえ渋い顔をされるし……
「晶さん。確かにずっと貴方の声を聞いていたい、とは思いますが……それ以上惚気話を聞かせ続けるのは、貴方に心奪われた男達に酷、というものでしょう?」
指折り数えて憂夜さんの過保護っぷりを上げていっていると、後ろから甘ったるく掠れた声と微かな冷気が部屋に流れ込んできた。
「…あれ、空也じゃない。珍しいわね、此処に来るのは」
歌舞伎町№1ホストの彼にとって、日付が変わる少し前のこの時間帯は一番の活躍時の筈だ。
「アフター終わりに近くで憂夜さんにお会いしたんですよ。皆さんでパーティーを開かれている、と言うので貴方にどうしても一目お会いしたくなってしまって。…これは僕から麗しの晶さんへ」
「麗しって…相変わらずね、アンタは」
そっと差し出されたのは、青山にある有名パティスリーのジュレとソルベのセットだった。ジョン太達には少し物足りないかもしれないけど、今の私には有りがたいチョイス。
(……相変わらず細かいとこまで気が廻る男だわ、ほんと)
「おや、心外ですね。前にも申しあげた筈です。愛と恋は別物、と…心の扉を開けて下さるのは貴方しかいないと思っていたんですよ、僕は」
「ちょ…空也、近いって!」
「おい……いい加減にしろ」
この場にいる全員用にと随分大きな箱の入った袋越しに、徐々に近寄ってくる空也の首根っこを掴んだのは、小さな紙袋を下げた憂夜さん。
「……憂夜さん、僕は猫では無いんですが」
「今のお前にはこの扱いで十分だ…離れろ」
「ま、まぁまぁ…憂夜さん。空也もじゃれるのはその辺にしときなさい…分かった?」
貴方がそうおっしゃるなら、とかなんとかぶつぶつ言ってる空也は放っておいて、憂夜さんに視線を向ける。
「ありがと、憂夜さん。スープ、美味しそうなのあった?」
身体を冷やさないように、と近所でも有名なスープ専門店まで出向いてくれた憂夜さんが買ってきてくれたのは、季節限定のスープ。
「えぇ。12種類の野菜が溶け込んだ栄養たっぷりのスープだそうです。
今の貴方にはぴったりだと思いますよ?」
「へぇ…美味しそう!!有難う、憂夜さん」
「いいえ、貴方とお腹の子の為ですから。体調はどうですか?」
「もう…心配性なんだから。大丈夫だってば。今からそんなんで出産に立ち会えるの?」
経験は無いけど、立ち会う旦那さんは苦しそうな様子を見るのに耐えられず逃げ出しちゃうって話も有るぐらいだし。まぁ…憂夜さんに限ってそんな事は無いか。
「そんな心配は無用ですよ。俺と貴方との子なんですから、必ず見届けます」
私の両手をぎゅっと握りしめて真剣な眼差しをむけてくる憂夜さんに、じーんと胸が熱くなる。
「うん…ずっと傍に付いててね」
「勿論ですよ…絶対に離れたりなどしません」
「なぁ…あの人達はいつもあんな調子なのか?」
「はい…前から酷かったけど、妊娠が分かってからは甘さ倍増。こっちが胸やけするっていう話ですよ…」
「タイ人…何ダカ奥サンにアイタクナッテキタネ…ごめん、ジョン太。あと頼んだ!」
「えぇっ!?ちょ、オイ、ポンサック!!待てって!!!」
「じゃあ、俺も帰るかな…後は片付けとけよ。殆どお前が食べたんだから」
「え…犬マンまで?お…おい、みんな!!この場に俺を置いていくなぁぁぁぁ」
“” 何にも無い日、ばんざい!! “”
End.
**************
以前、ミキ様にリクエストを頂いていた
《結婚、又は同棲後の一週間で憂×晶》でしたw
……期待されていたものとは違った仕上がりに
なってしまった自覚は有るんです。
ごめんなさい~Σ(T□T)
ホントに7日間書いてると管理人が砂糖に埋もれて
死にそうだったので、ジョン太君達に
身代わりになってもらいましたw
甘…い。それででも甘い。
空也さんも真っ青ですよ、きっと。
今回出てこなかった、吉男は、惚気られ、置いて
行かれてキレたジョン太に苛められて、テツに
泣き付いてると良い♪
。:+.(・∀・).+:。
タイトルと最後の一文はイカレ帽子屋さんの歌より♪
ハッター=憂夜さん説推進中。
それでは!!最後まで読んで頂いて有難うございました!!
この短編はリクを頂いたミキ様に捧げます♪
2010.5.27
-さえこ-
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