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その時気になった ドラマ、小説、アニメ等の 創作小説を書いていくブログです。 や、ほんと初心者です。 皆さんの素晴らしブログの数々に 勉強させていただく毎日。 当然のことですが、upした作品は 公式の物とは全く関係ありません。 今後も生温かく見守って頂ければ幸いです。
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前編より続きますm(__)m


「あぁ、もうほんっとに疲れた。足が棒みたいよ…」
「お疲れ様です。荷解きは私がやりますから、店長は休んでいて下さい。後で冷たいアイスティーをご用意しましょう」
「うん、ありがとう。あ、あれが良いな、ハイビスカスのやつ」
「今日は少しレモングラスも足しましょうか。きっと疲れを取ってすっきりとさせてくれる筈です」
「お任せ致します」
「はい、かしこまりました」

どうやら散々なぎさママに連れまわされた様子の晶さんは、それでも二人だけの軽口混じりのかけあいに少し気分を良くしたようだ。
くたりと横向きに倒れ込んだベッドから起き上がってじっとこちらを見つめている。

「……私の顔に何かついてますか?」
「……ううん。そうじゃないんだけど…何かいつもと違うなって思って。留守中に何かあった?」
「………・・・かないませんね、貴方には」

隠すつもりも無かったが、空也の件は思ったより心をささくれ立たせていたらしい。

「御心配には及びません。先程空也から店長宛てに電話がありました。それだけですよ」
「……今度は何?」
「イタリアン、だそうです。……アイツの舌は確かですから店長も一度は…」
「憂夜さん」

勝手に口から勢いを付けて零れおちる台詞を、晶さんがそっと拾い上げる。

「……心にも無い事は言わないの。…いい?」
「………はい」

不思議と、晶さんのその一言だけで波立っていた心が静まっていく。

「それに…御飯、となると空也にも色々説明しなきゃいけないでしょ?何か言い出しにくくってね」

この部屋でお互いを抱きしめ合って以来、二人の関係はまだ誰にも話していなかった。数人気づきかけている奴もいるようだが、無理矢理隠し通す様な事でも無い、とも思ってはいる。

「空也に知らせるのは嫌ですか?」
「そうじゃないけど…まぁ避けては通れないわよね…」

木箱から出した透き通った蒼い花切子が、夕陽を透して微かに光を放った。

「鮎…ですか。美しいですね」

薄く蒼く色づいたカットグラスの表面に泳ぐ魚。
これからの時期、お客様にお出しするには良いかも知れない。

「憂夜さん…?」

唐突に話題を変えた俺に驚いたのか晶さんが僅かに目を見張る。

「俺は…貴方の決断ならそれに従います」
「…………」
「それに、貴方がどの様な決断を下した所で俺の想いはずっと変わりません」

(貴方を愛している)

あの時から一度も口に出していない想い。
無責任な俺の発言に顰められた眉が次第に困ったように垂れていく。

「言葉にしなきゃ伝わらない想いも有るんじゃない?」
「俺の想いは伝わってはいませんか?」
「……ずるいと思う、それ」

完全に明後日の方向を向いてしまった晶さんの肩を軽く押してシートに縫い付ける。

「憂夜さん?」
「はい?」
「何してるのいきなり」
「貴方を寝かしつけてるんですよ、どうやら拗ねてしまわれた様なので」
「寝かしつけてて何でそんなとこに手が…っ伸びるのよっ」

吸いつくように滑らかな肌を思う存分に触れていく。
何度となく触れた肌はいつだって柔らかく俺を受け入れてくれるから、あともう少しその暖かさに甘えてしまおうか。

「Ti amo. Vorrei essere vicino a te……」

「…え?や、んっ…ちょ、ちょっと憂夜さんってば!!」

「Ti penso sempr.」
「な…なんでいきなり英語なのっ?」
「イタリア語ですよ。貴方の御望み通り“言葉にしてみた”んです」
「ちゃんと日本語で…んっ、もう…や…っ」
「それはまた次の機会に。今は俺のことだけ考えていて下さい」

―――間違っても他の男の事など考えないように。

End.
************

てぃあーもは、何かいっぱいメンバーがいる
グループさんのあれですね。
後は『貴方のことをずっと見ていたい』だとか
『貴方のことをいつだって思っています』的な?(聞くな)
意味のイタリア語をしゃべってます。
イタリアはハーブティーの歴史もかなり
古いところらしいので、絶対憂夜さんが
ハーブティー巡りの旅に行ってそうだなぁという
妄想からこんなんが生まれましたw
うん、超スランプ。:+.(・∀・).+:。
でも、憂夜さんのあの声でイタリア語を囁かれる
店長は超羨ましいと思います。

リクを頂いた千香さんにはしっかりと
『大人風味で』というリクも頂いていたので(笑)暴走し過ぎないように
気をつけていたんですが、やっぱり暴走しましたw
ごめんなさいm(__)m
ちなみにタイトルのYin&Yanは中国で陰陽を表すと同時に
男性と女性をあらわす隠語とも言われているらしいです。
ちょっといやんwな意味にも使われるそうで・・・(〃ノωヽ)

それでは。この短編はリクを頂いた千香様に捧げます。
長々と読んで頂いてありがとうございました!!

2010.5.22
-さえこ-

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