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その時気になった ドラマ、小説、アニメ等の 創作小説を書いていくブログです。 や、ほんと初心者です。 皆さんの素晴らしブログの数々に 勉強させていただく毎日。 当然のことですが、upした作品は 公式の物とは全く関係ありません。 今後も生温かく見守って頂ければ幸いです。
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-前編-より続きます。<(_ _)>

『やっぱりかかってきた』
「おや?かけてはいけませんでしたか?」
『……そんなこと言ってないわよ』

電話口でどこか不服そうな声が聞こえる。
あの後、オーナーへの挨拶を手早く済ませ、帰り道に発信ボタンを押した。

どうしても心配だから、とほぼ無理やりに持たせた携帯電話は、自分から電話をかける、という発想が中々無いらしい晶さんのお陰で専ら発信専用だ。

「………晶さん、今どちらに?」

携帯から聞こえてくるのは、きぃきぃ…と何かが軋む音と風の音。

「まさか……公園じゃないでしょうね」

店から歩いて少し離れた所にある公園。
昼間は木漏れ日の眩しい、朗らかな雰囲気の公園だが夜までがそうとは限らない。

『……凄いね、なんで分かったの?』

彼女が言いきらない内に足は勝手に動いていた。

「必ず。必ずですよ?絶対にそこから動かないで下さい」


言い放って通話を切る。
(どうしてあの人は……!!)

瞬間、沸騰しそうになる頭の熱をスピードへと変える。
微かに汗ばむ身体に5月の夜風はまだ涼しかった。


「………で?」
「………ん?」
「僕に何か言わなければならないことはありませんか?」

公園に着いた時、彼女は木々に囲まれたブランコの上でコンビニで買込んだらしいカクテルなどを飲んでいた。

「何が?」

―――分かっている筈なんだ。彼女にだって。

女性ならだれでも、特に彼女に対しては限りなく心配性な憂夜さんが常に傍にいるんだから。

―――でも仕方がない。

淡いピンク色の液体が入った瓶をそっと奪うと地面に膝を付いて下から顔を覗きこむ。

「心臓が…止まるかと思いました。夜更けの公園に女性一人なんて危険すぎます」

乾きかけた汗が体温を奪っていく。
晶さんが無事だったことで緊張から解き放たれた心は、彼女の瞳を覗きこんだことでまた苦しさに襲われる。

「………晶さん」
―――泣かないで下さい。

震える肩を抱き寄せても彼女の涙は止まらない。

「…んで、何で来ちゃうのよ…声が聴けたら、って思っただけなのに。
また明日だっていつだって会えるのに!!」

「じゃあ、貴方は何でこの場所に?」

繁華街に程近い公園。
店から走れば、10分とかかっていない筈だ。

「…………っ……そんなの…」
「今夜でなければ意味が無かった。……違いますか?」

1年前のあの日から。
出来るだけ彼女に接する機会を増やすようにしていた。
憂夜さんもインディゴのホスト達もそれを分かっていて何も言わずに店に通してくれたし、晶さんだって困ったふりをしながらも何度も食事に付き合ってくれた。

―――でもそれじゃ駄目だ。

「俺は……ここにいるんです。晶さん」

―――あの時の傷だって残ってしまっているけど、でも貴方の目の前にいる。

「誤魔化し続けるのは、お互いやめにしませんか?」
「……空也!」

耳元で小さく叫ぶ晶さんの肩をゆっくりと押して真っ直ぐに見詰める。

もう、この想いは恋じゃないから。

「貴方を愛しているんです、晶さん」

告げてしまった想いはもう元には戻らない。
その想いを受け取るかどうかは彼女次第。

晶さんを追いつめてしまったことへの罪悪感は残ったままだがこれで良かった、とも微かに思う。

お互い小さくすれ違い続けることで彼女の心を疲弊させずにすむのなら。

「……僕に会いたかったでしょう?」

濡れた瞳の美しさに惹かれながらも、からかう様に小首を傾げる。

「………どっからくるの、その自信」

思わず涙目のまま吹きだした彼女の目に映るのは確かな決意。

(そう、その目だ。貴方のその目に惹かれたんですよ。晶さん)

「『俺』になら会いたかったかもね」
「……バレてましたか」
「当り前でしょ?いくつ先輩だと思ってんの」

彼女の前では使っていない筈の一人称。

―――かなう訳が無いんだ、俺が、この人に。

「もう遅いですから送っていきましょう、すぐにタクシーも掴まりますよ」

「……帰るの?」

余程以外だったらしく目を丸くする晶さんに小さなキスを贈る。

「次は───お互いに酔いが入っていない時に」

耳元で囁けば、随分と新鮮な反応が返ってきた。

顔を真っ赤にして離れてしまうかと思ったのにきゅっと首にしがみ付く彼女。

―――誘われてるのか?

普段ならまずあり得ない状況に酔いの廻った頭が自分に都合の良いような展開を考えだす。

「あ…あんまり女性を待たせるんじゃないわよ」
―――放っといたらもっとおばさんになっちゃうんだからね。

「さ、行きましょうか。タクシー捕まえなきゃ」

無理矢理に気恥ずかしさを抑え込んだのか紅い耳をした彼女はぐんぐんと公園の出口に向かって進んで行ってしまう。

―――追いついてみせますよ」

追いついて、並んで。たまには追い越して。

「貴方を守る」

レンガが敷き詰められた出口への道を進んで行く彼女には聞こえない誓い。

「………晶さん!!」

滅多に出さない程の大声で叫んだら、喉がひりつくような感覚がした。

「ち、ちょ…空也!!もう夜中なんだから静かに……!!」

振り返ってヒールの音も高らかに駆け寄ってくる彼女にもう一度
キスをしようと。そう思った。

END.

****************

勝手にすれば良いと思います。(こら)
はい。空×晶でした。
今回もとある曲をモチーフにと言う事だったんですが…
その曲が有りえないくらいにドストレートな失恋ソングで。
管理人に悲恋物はかけませんでした‥‥orz
…って言ってたらこんな昼メロ一丁上がりです。
書いてる途中何度もキーボードを投げようかと思いました。
えぇ、何度も。(大事なことなので2回言いました)
たまには空也さんを幸せにしてあげたいな…とか
思った私が浅はかでしたとも!!
読んでいて砂を吐きたくなった皆さま。どうぞどうぞ。
たっぷりと砂なり砂糖なりお吐き下さいませ!!(落ち着け)
うちのサイトはどうも憂晶すきーさんが多いようなので
反応が怖かったりもしつつ。
次は30,000hitリクの憂晶の予定です<(_ _)>
それでは!!このベタ甘砂糖まみれの小説はリクを頂いた
綾香様に捧げます。:+.(・∀・).+:。
長々と読んで頂いて有難うございました!!

2010.05.13
-さえこ-

 
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