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その時気になった ドラマ、小説、アニメ等の 創作小説を書いていくブログです。 や、ほんと初心者です。 皆さんの素晴らしブログの数々に 勉強させていただく毎日。 当然のことですが、upした作品は 公式の物とは全く関係ありません。 今後も生温かく見守って頂ければ幸いです。
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綾香様よりもう一本リク頂いていた空晶です。一応このお話にもモチーフは有るんですが…
原曲丸無視すぎるので、あまりお気になさらずにお進みください。
あ,10ccはちゃいますよ。でもこのネタ分かる人とはきっとお友達になれそうな気がします(笑)
10ccのグループ名が付けられた由来を知って、コーヒー吹いたさえこでした<(_ _)>

それでは≪続きを読む≫からどうぞ♪

空也さん…新入りの名前覚えてあげようよ…orz

I'm not in love.
(空×晶)

夜更け過ぎに振り出した雨は次第に激しさを増していった。

「精が出るな」
「あ、空也さん!!お疲れ様です」

―――新しく入った若いホストは、まだ元気が有り余っているらしい。

直角に腰を曲げて俺を迎える新入りは、店に勤め出してまだ半年も経っていなかった。

『俺、空也さんに憧れてこの世界に入ろうと思ったんです!!』

インディゴの…吉男あたりを思い起こさせるような目で懐かれれば悪い気はしないし、目をかけたくもなる。

客を送ったその足で閉店後の店を覗いてみたら尻尾を振りそうな勢いで、こちらに駆け寄ってきた。

「…他の奴らはどうした?」
「片づけが終わったんで、皆さん帰られました」

―――終わった?

「じゃあ……お前はここで何やってる?」

少し低めに答えた声に怒らせたと勘違いしたのか新入りの肩が途端に強張る。

「す、スイマセン!!ちょっと片づけきれてない所を思いついて戻ってきちゃったんです、オレ…ヤバかったですか?」

きつく握りしめられた手には少し水を吸ったダスター。
どうやら嘘では無いらしい。

「いや…いい。ただ店に一人でいると有らぬ誤解を受けやすい。
次からは誰か上の奴に報告しとけよ?」

あまりの怯え様に可笑しくなって、震える頭に手を乗せる。

「オーナーはまだ上に?」
「あ、ハイ。まだいらっしゃいます」

どうやらオーナーもコイツには甘いらしい。
いつもなら新入りが一人で掃除などしていたらすぐに追い返しただろうに。

挨拶だけはして帰ろうかと、一歩踏み出したところで
「あ…!!」という声に止められた。

「…どうした?」
「あ……いえ、あの…」

どうやら何か失敗した事を思い出したらしい。
元々、下がり気味の眉が情けないほどに垂れている。

「いいから。…言ってみろ。どうした?」

「はい…すいません、先ほどクラブインディゴの店長がお見えになって…」
「高原さんが…?」

昔ならともかく、今なら俺の携帯にまず連絡が入るはずだ。

「…どれくらい前のことだ」
「あ、はい!多分……30分くらい前だったと思います」

今は夜中の2時前。
一人で歩くには遅すぎはしないか。

「高原さんは…何か言ってたか?」


湧きあがる不安を抑えるように、自然と声までが低くなっていく。

「いえ…特には。『空也、いるかなーと思って寄ってみたの』って言ってました」

特に緊急の用でも無く、彼女が店を訪れる事は珍しい。
何か重要な……。
そう思った瞬間、涙を瞳一杯に溜めた晶さんの顔が頭に浮かぶ。

―――あぁ、そうだった。

「オーナーに挨拶した後で俺から連絡してみよう。お前は心配しなくていい」

目の前で小さくなっている新入りの髪を態と乱暴にかき回す。

「次からは気をつけろよ?」
「ハイ!!すいませんでした!!!」

大人しそうな見かけによらず運動部出身だという新入りの声が、扉を隔てたオーナールームまで届きそうな音量で響き渡った。
(今頃、思いっきり眉を顰めてるな、多分)

元々厳つい顔は、さらに酷いことになっていることだろう。

「ここはもういいから。お前も早く帰れ」

思わず吹き出しそうになる口元を軽く押さえて、更衣室へ促す。

最後までぺこぺこと頭を下げていた新入りを見送ると、オーナールームへの階段を一段、上った。

「早く忘れてしまえばいいのに…まったく」

―――空也!!空也っ!!!

晶さんの悲痛な叫びは今でも鮮明に覚えている。
(でも俺も…似たようなものか)

今日は……丁度1年前に俺が彼女を初めて食事に誘った日。
そして、彼女の目の前で俺が刺された日。

-後編-へ続きます。

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