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その時気になった ドラマ、小説、アニメ等の 創作小説を書いていくブログです。 や、ほんと初心者です。 皆さんの素晴らしブログの数々に 勉強させていただく毎日。 当然のことですが、upした作品は 公式の物とは全く関係ありません。 今後も生温かく見守って頂ければ幸いです。
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前編より続きます<(_ _)>


元々彼女は酒が弱い方では無い。
…恐らく今夜が特別なんだろう。
年に一度、彼女が母親への想いを開放出来る日。

思う存分、と言いたいところだが明日は午後一番で雑誌の取材が入っていたはずだ。

それにこれ以上、強請る様な瞳で見あげられ続けるのは正直、辛い。

「晶さん、大分眠くなってきたでしょう?
ほら、少しだけ横になりましょう」

『お開き』などという言葉を使えば恐らく逆効果。

首筋に顔をすり寄せるように甘えてくる晶さんの髪を宥めるように梳いていく。

「……やだ」

消え入りそうな声で、それでもはっきりと呟かれたのは否定。

「…さっきから欠伸ばかりですよ?
少しだけ横になったら楽に…」
「やだ」
「晶さん……」

どうしたものか。
俺はこのままでも一切問題は無い…いや、あるか。

だが晶さんは二日酔いで辛い想いをする羽目になる。

「…んな」
「…え?」
「みんな…わたしを、おいていく…」

明け方に近付いて、冷えるだろうと思って羽織らせたスーツの肩が震えていた。

「かあさんも、つかさも、たかこも…」

―――ねぇ、憂夜さんも…?

そこだけはいつもの彼女の調子で。
だからこそ辛そうな様子だけは見たくなかった。

「俺はここにいます。晶さんが眠っている間も。目覚めても。
いつだって俺は此処にいますよ」

―――お母さんだって貴子さんだって。
貴方を一番心配しているんです。

安心させるように、一音一音はっきりと発音しながら彼女の耳に囁きを送り込む。

「…ほんと…?」
「えぇ。間違いありません」
「そっか……」

縋りつくように背中に廻された腕がほんの少しだけ緩む。

「だから…ほら。ゆっくり眠ってください」

そっと肩を押して覗きこんだ顔は涙で濡れてはいてもやはり美しい。

「じゃぁ…いっしょにねよ?」
―――ね、ゆーやさん!!

妙案を思いついた、と言った風に顔を輝かせた晶さんは、いとも簡単に爆弾を落とした。

「……………」

たっぷり20秒程はあった沈黙を破るのはやはり彼女。

「いっしょにねるの…だめ?」
「いえ…そういう訳では。俺は片づけをしてから其処の椅子で…」
「だめ…?ねぇ、ゆーやさん」
「いえ…じゃぁ………寝ましょうか」

―――負けた。

想いを確認しあってはいても、こうして彼女の部屋で一晩を過ごすのは初めて。

しかも安心した風に身体を摺り寄せ眠りの体制に入ってしまった晶さんの格好は帰ってきた時のままの薄手のシフォンチュニックとスカート。

―――せめて鎧でも着てくれない物だろうか。

思いながらも、自然と手は晶さんの柔かい髪を梳いている。

「ん…うん?ゆーやさん?」
「此処にいますよ」

全ての想いを込めて滑らかな額に口付ける。

「おやすみなさい──良い夢を」

重なり合う互いの鼓動と通りすがる車の微かな排気音だけが部屋に響く。

二人だけの狭い空間はどこまでも暖かかった。

End.

************

はい。綾香様にリクを頂いた
憂晶です♪
憂夜さんがヘタれて…るだと?Σ(T□T)
ゴメンナサイゴメンナサイ。
でも酔っ払い店長は最強だと
思われますw
今回は、とある曲をモチーフに。との
リクエストだったんですが…。
曲は前回ご好評頂いたアレ
使わせて頂いた超大御所
ロックバンドさんの
名バラード。バラード。バラード。
・・・あれ?
なんでか仕上がりがコミカルに…orz
綾香様、ほんっとうに
すみません。
管理人には、あんな名曲を
モチーフに素敵なストーリーとか
無理でした(。_。)
明け方近くまで寝るに寝れなかった
憂夜さんと店長が寝坊して、たまたま
早朝出勤してきた吉男辺りに
発見されて二人して硬直してたら
面白いと思いますw
(どこまで鬼…Σ(T□T))
それでは。
長々と呼んで頂いて
有難うございました<(_ _)>

ちなみに。タイトルの『ma cherie』は
「愛していますよ、晶さん」
でいいんじゃないかと思ってます。
真面目に訳すると
「愛しい人よ…」ですかね?
決してシャンプーの名前では
ございません(笑)

2010.05.13
-さえこ-


 
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